環境教育とは?国内及び海外の事例も合わせて解説します!

教育

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「環境教育」と聞くと、小学生の頃に行った課外活動などを思い浮かべるでしょうか?環境教育という言葉が生まれたのは1900年代中頃であり、その後時代ごとの課題に対応しながら変化して現在に至ります。

曖昧な部分も多い環境教育ですが、本記事では、権威性のある取り決めや発表などを紹介しながらその定義など解説しており、理解を深めることができるでしょう。

後半では具体的な事例を紹介しているので、ぜひ参考にしてみて下さい。

環境教育とは?

環境教育とは?

日本では、2006年に教育基本法に置いて「生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うこと」という規定が盛り込まれました。

環境教育の目的は、環境問題を学習し、環境保全に取り組んでいくことで、持続可能な社会を後世に引き継いでいくことです。

国立教育政策研究所の資料では、以下のような考え方が明示されています。

環境教育とは 「環境や環境問題に関心・知識をもち,人間活動と ,環境とのかかわりについての総合的な理解と認識の上にたって,環境の保全に配慮した望ましい働き掛けのできる技能や思考力,判断力を身に付け,持続可能な社会の構築を目指してよりよい環境の創造活動に主体的に参加し,環境への責任ある行動をとることができる態度を育成すること」と考えることができる。

環境教育指導資料[小学校編] | 国立教育政策研究所教育課程研究センター

文部科学省による定義

文部科学省は、以下のように環境教育の意義を明示しています。

現在、温暖化や自然破壊など地球環境の悪化が深刻化し、環境問題への対応が人類の生存と繁栄にとって緊急かつ重要な課題となっています。豊かな自然環境を守り、私たちの子孫に引き継いでいくためには、エネルギーの効率的な利用など環境への負荷が少なく持続可能な社会を構築することが大切です。そのためには、国民が様々な機会を通じて環境問題について学習し、自主的・積極的に環境保全活動に取り組んでいくことが重要であり、特に、21世紀を担う子どもたちへの環境教育は極めて重要な意義を有しています。

文部科学省

現在の環境問題と言えば、「地球温暖化」や「気候変動」、「砂漠化」など、どれも解決には長い時間を要するものが多く、その時代を生きる人々だけの課題ではありません。

そのため教育機関はもちろんのこと、企業の取り組みの1つとしても環境教育が実施されており、子供たちに向けた学習の機会がさまざまな形で提供されています。

環境教育の歴史と国際的な枠組み

ここで簡単に環境教育に関する時代の流れを紹介します。

1948年国際自然保護連(IUCN)の設立総会
1962年レイチェルカーソンが「沈黙の春」
1970年世界初の環境教育法(アメリカ)
1975年ベオグラード会議にてベオグラード憲章が作成される
1977年トリビシ環境教育政府間会議(トリビシ宣言)
1992年地球サミット(国連環境開発会議)にてアジェンダ21

そもそも環境教育という言葉が生まれたのは1948年の国際自然保護連(IUCN)の設立総会と言われています。

その後レイチェル・カーソンが「沈黙の春」を発表した1962年からさまざまな公害に対して環境法が整備されていきました。

1970年にはアメリカにて、世界初の環境教育法が生まれ、その後世界各国で取り決めなどが行われました。

そして、1975年のベオグラード会議にて、ベオグラード憲章が作成され、環境教育の目的が「環境教育の目的は、個人と社会集団が、総体的な環境とそれに関わる問題について関心と感受性を持ち、人類の重要な立場と役割を理解し、環境の保護改善に参加する意欲と問題解決のための技能及び評価能力を身につけ、また適切な行動を起こすために、環境問題に関する責任と事態の危急性についての認識を深めることができるようにすることである。」と明示されました。

1977年のトリビシ環境教育政府間会議では、環境教育の基本目的が「個人、地域社会が環境問題に対して直接的に働きかける。そのための知識、価値観、制度、技能を獲得する。環境問題の解決のために、環境の保護を保証する世界、いわば世界平和の確立を目指す。」と明確に定められました。

そして、1992年に「地球サミット(国連環境開発会議)」が開催されます。これは、社会(歴史)などで耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか?

この会議にて「アジェンダ21」などが採択されました。

環境教育のメリット

環境教育のメリット

結論、子供がさまざまな経験を通して意欲的に、自発的に環境問題への理解を深めることに繋がることが、環境教育のメリットと言えるでしょう。

個人では難しい課外活動などを通じ、教育現場での学びを最大化することに繋がります。

また、近年は企業が取り組みの一環として環境教育の機会を提供するケースがみられます。

子供たちの学びの機会を提供できるのはもちろんのこと、未来に向けた取り組みによって企業価値そのものを向上できるというメリットもあります。

教育機関での取り組み

教育機関

文部科学省の学習指導要領における「環境教育」では、学年や科目別に、指導要領が取り決められています。

*詳細はこちらのページからご覧いただけます

各学校が、地域性やその他の特徴に合わせながら活動が行われていますが、本記事では2つ、実際の事例を以下にに紹介します。

①埼玉県「総合的な学習の時間」(対象:小学校中学年)

「川のひみつをしろう」というねらいの授業にて、身近に流れる荒川を題材にした学習活動が行われた事例です。

環境教育の視点

身近に流れる荒川を題材にした学習活動をとおして、人と自然との関わりに気づき、すばらしい自然環境を守っていくためには何が大切なのかを考え、実践できる態度を養う。

埼玉県小・中学校環境教育指導資料事例編 

実際に、学校近くの河川へ足を運び生物の生息状況等をまとめ発表すると言ったケースです。

*埼玉県のそのほかの事例も含め、詳しくは引用元をご覧下さい

②鹿児島県「学校の施設等を活用して進める環境教育」

鹿児島県の事例では、豊かな自然を活用し、市町村とも連携した取り組みが行われています。

具体的には、屋久島自然体験セミナーなどが開催されており、地域の特色を生かした体験的な活動に参加することが可能な環境が整備されています。

「こどもエコクラブ」という、以下記載のようなコミュニティも存在し、よりこどもたちが自然環境と接点をもてるような仕組みが作られている事例と言えるでしょう。

「こどもエコクラブ」は,次代を担う子どもたちが地域において自主的に環境学習や実践活動を行うことを目的に,幼児から高校生で結成されたクラブです。
県では,市町村とも連携しながら「こどもエコクラブ」の活動がより広く展開し,さらに充実するよう,支援を行っています。

環境教育・環境学習 | 鹿児島県

詳細は引用元をご覧ください。

企業での取り組み

企業での取り組み

企業においても、環境教育の観点でさまざまな取り組みが行われています。

これはSDGs達成における貢献度にも関わってくる部分であり、多様な規模/業種の企業で取り組みが見られます。

本記事では、ピックアップした3つの事例を紹介します。

①TOTO株式会社

TOTO株式会社では、学校での出前環境授業やイベントセミナーが行われています。

また、社内での研修や環境啓発の機会も充実しており、自社の環境ビジョン「TOTOグローバル環境ビジョン」を元に社内ほうやWEBサイトでの情報発信も行われています。

参照元:社員の環境教育

②ダイキン工業株式会社

ダイキン工業では、NGOと協働し、森林再生のプロジェクトが進められています。

ダイキン工業は、国際NGO「コンサベーション・インターナショナル(CI)」と協働し、インドネシアの森林再生プロジェクトに取り組んでいます。
このプロジェクトを題材に、生物多様性をテーマとした環境教育プログラム「サークル・オブ・ライフ」を作成し、小学校に無償で提供しています。

ダイキンの環境教育支援活動

特にインドネシアの森林再生に向けた取り組みを題材に、小学校などで授業が行われ、これを通じて子どもたちが気づきのきっかけを提供するような取り組みです。

③サントリーホールディングス株式会社

サントリーでは働く人々を対象に、従業員の環境意識向上に向けた環境教育の機会が提供されています。

社内では、eラーニングやイントラネットを通じ、従業員がさまざまな環境問題等に関する情報にアクセスすることが可能となっています。

これまでに約7600名の従業員を対象とした森林整備体験研修も行われており、社会への情報発信元となる従業員の教育も充実してる様子が見受けられます。

参照元:従業員への環境教育

まとめ

環境教育まとめ

本記事ではこれまでに、環境教育の歴史や定義を解説しつつ、教育機関および企業での事例を紹介しました。

・環境教育は長期的な環境問題に取り組む上で重要な役割をはたす

・教育現場では、学校ごとにさまざまな取り組みが行われている

・企業もCSR/SDGsの達成に向け環境教育に関する取り組みを行っている

上記のポイントを抑えていただいた上で、本記事の内容を今後の情報収集や家族での会話などで活用してみてはいかがでしょうか。

なお、SDGsに関して詳しく知りたい方はこちらの記事も合わせてご覧ください!

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