漁業組合とは?組織の仕組みや漁師との関係を説明します!

漁協

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漁業組合という言葉を耳にしたことはありますか?もしかすると「何それ?」という方も多いかもしれません。魚介類が採られてから、食卓や飲食店で当たり前のように食べることができる仕組みには、いくつかのプロセスがあります。

漁業組合は、全体の管理を担う組織として、さまざまな役割を果たしていますので、ぜひ本コラムを通して理解していただけたらと思います。


「漁業組合」とは?

まず、「漁業組合」とは、正式には「全国漁業協同組合連合会」という名称があります。本記事では、以下「漁業組合」と記載し、わかりやすく解説していきます。

仕組み

漁業組合とは、水産業協同組合法 (昭和 23年法律 242号) により漁民を組合員として設立される法人(協同組合)のことを指しています。

一般的に「JF(Japan Fisheries Cooperatives)」や「全漁連」と呼ばれる組織が統括している組織です。水産業協同組合法によって仕組みがなされている漁業組合ですが、基本的に運営は組合員の出資からなっています。

役割や事業

「水産業協同組合法」により、漁業組合の役割は以下のように定義されています。

①漁民の経済的社会的地位の向上を推進させること
②水産業の生産力の増進を図ること

簡潔にまとめると「水産資源の管理」や「漁業権の管理」が主に行っていることとなります。

限られた水産資源をきちんと管理していくことで、持続的に活用し、また乱獲など奪い合ってしまったり、競争になってしまったりを防ぐ役割を果たしています。

もう少し詳しく、漁業協同組合の役割や意義を考えていきましょう。以下は、水産庁が記載している「漁業協同組合の役割」に関する内容です。

漁業協同組合は、各地の漁業者による協同組織として、組合員のために販売、購買等の事業を実施するとともに、漁業者が所得向上に向けて主体的に取り組む「浜の活力再生プラン」等の取組をサポートするなど、漁業経営の改善や地域の活性化に様々な形で貢献しています。

また、漁業権の管理や組合員に対する指導を通じて水産資源の適切な利用と管理に主体的な役割を果たしているだけでなく、浜の清掃活動、河川の上流域での植樹活動、海難防止、国境監視等にも積極的に取り組んでおり、漁村の地域経済や社会活動を支える中核的な組織としての役割を担っています。

水産庁

漁業組合の事業としては、
①信用事業
②共済事業
③販売事業
④指導事業
などがあります。

組合員の出資によって運営されている組織のため、組合員にとってメリットのあるような事業が展開されています。漁業従事者にとって便利なことを行うという役割があるため、時に銀行のような役割を果たすのも、漁業組合の興味深いポイントですね!

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現状

出典:漁業協同組合の動向 |水産庁

水産庁によると、漁業組合は減少傾向にあると報告されています。主な要因としては、漁家経営の悪化、漁業従事者の後継者不足や高齢化、漁価低迷などがあげられます。

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漁業組合員になるには?

組合員になるためには、以下の資格条件を満たす必要があります。

項目条件内容
1、住所条件組合の地区内に住んでいること
2、営業・従事条件1年のうち30日から90日までの間組合の定款で定められた日数以上、

①漁業(漁業、養殖業)を営んでいること(漁業者)
②漁業者に雇用されて漁業をしていること(漁業従事者)
③自家消費やレジャーの採捕をしていること(採捕者)

※採捕には、調査や外来魚の駆除なども含まれる。

加えて、各漁業組合の取り決めに従い、定められた額の出資金と賦課金を支払う必要があります。(出資金は組合員を辞める時には返却されることになっています)

やや条件が難しい印象を受けますが、新たに組合員となってくれる人を歓迎する漁協も多く、「地元に住んでいる+漁業に関連することを日ごろ行なっている」といった状況であれば可能性はありそうです。

「漁師」という職業

漁師

ここで、そもそも「漁師」とは、どのような職業で、組合員との違いは何なのか?を説明します。

漁師とは、海産物をとったり、育てたりしたものを販売することで生計を立てる漁業者のことをいいます。

漁業は大きく
・沖合漁業
・遠洋漁業
・沿岸漁業
・養殖漁業
などの種類があり、日本各地にさまざまな漁を行う漁師さんたちが存在します。

*各漁業に関して詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

ここで、漁師と組合員の違いを説明しましょう。結論、漁師とは漁業組合の組合員の一部ということになります。組合員には漁業者(漁師さん)の他にも、漁業者に雇用されている人々や、レジャー等で採捕を行う人々も含まれます。

これまで解説してきた通り、漁業協同組合とは簡単にまとめると「資源を管理し、争いなく有効に海産物を利用していきましょうね」という組織でした。海や河を生活のために利用する全ての人に加え、行政なども関わることで組織の運営がなされています。

まとめ

漁

本記事では、漁業組合(漁業協同組合)の仕組みや役割について、解説をしてきました。漁業組合のあるべき姿として、漁業者が集まり、協力し合い、漁業を行うことが挙げられます。

漁業組合は、漁業者が一人では対処できない問題や課題に対して、協力し合うことで力を合わせることができます。例えば、漁業資源の管理や保全、市場情報の確保、漁業技術の研究開発などが挙げられます。

また、漁業組合は、漁業者が一人では持てない力を持つことができます。

例えば、政府や行政に対して、漁業者の要望や意見を発信することができるため、漁業政策などを左右する力を持てるでしょう。こうした漁業組合が、漁業業界を牽引していくことで、漁業が発展し、漁業者が安定した生活を送ることができるでしょう。

記事全体のポイントとしては以下の3つです。

漁業組合とは、正式には「全国漁業協同組合連合会」という
漁業組合は、資源管理や競争防止などの役割をはたす
漁師さんをはじめとする組合員で構成される

水産業に興味のある方、漁業に関係のある職業の方に、本記事を参考にしていただければと思います。

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