「SDGsに貢献できる住宅」と聞いても、何を基準に選べばよいのか、どんな家が該当するのかイメージしにくい方も多いのではないでしょうか。近年、断熱性能の高い構造や再生可能資源を活かした建材、省エネ設備などを活用した住宅が、環境への配慮と快適性を両立する選択肢として注目されています。
本記事では、住宅購入やリフォームを検討している方を対象に、SDGsに貢献する住まいの定義やその選び方を分かりやすく整理します。認証マーク付き建材の見分け方や、省エネ設計のポイントまで、暮らしの質を保ちながら未来を守る家づくりのヒントをお届けしますので、ぜひ参考にしてください。
「住宅選びが未来を変える」SDGsに貢献できる家づくりのすすめ

SDGsという言葉は知っていても、「家づくりとどう関係があるの?」と感じる人も少なくありません。実は、住まいの選択ひとつが地球環境への貢献につながる時代になっています。SDGsに貢献できる住宅とは何か、そしてどんな建材や設備を選べばよいのか知ることは重要です。これから家を建てる人やリフォームを検討中の人に、知ってほしい「未来につながる住まいのつくり方」を紹介します。SDGsや家づくりに興味がある人は、本記事で理解を深めることがおすすめです。
SDGsとは?住まいと地球をつなぐキーワード

SDGs(持続可能な開発目標)は、2015年に国連で採択された17の目標で構成されており、「気候変動への対策(目標13)」や「住み続けられるまちづくり(目標11)」など、私たちの暮らしに密接な項目が数多くあります。中でも住宅や建築は、エネルギー消費やCO2排出、生態系への影響などに関わる重要な分野です。家を建てたり、選んだりという行為が、結果として地球環境にやさしい選択にもつながります。
たとえば断熱性能の高い住宅は、冷暖房効率が良くなりエネルギー使用を減らせますし、バイオマス素材や地域木材を使用すれば、資源循環にも貢献できます。さらに、施工時の廃棄物や建材の認証制度にもSDGsへの配慮が反映されており、暮らしの質を保ちながら、環境にもやさしい家づくりが現実の選択肢として広がり始めているのです。
「カーボンニュートラルと住宅の関係」CO2を減らす住まいの発想

「カーボンニュートラル」とは、排出されるCO2と、吸収・除去されるCO2のバランスをとり、実質的な排出量をゼロにする考え方です。住宅分野では、建材の選定や設計、エネルギーの使い方によって、大きく貢献できることがわかっています。たとえば断熱性能が高い家は、冷暖房の使用量を減らせるため、結果としてCO2の排出量も減少します。
また、太陽光発電や高効率な給湯システムを導入することで、電力の自給や省エネが可能になり、エネルギー消費そのものを見直すことにもつながります。さらに注目したいのが、建材の素材選び。石油由来の化学素材ではなく、バイオマス資源(植物由来)を使った建材は、製造時や廃棄時のCO2排出を抑える役割を果たします。これらは「バイオマスマーク」「バイオマスプラマーク」などの認証で見分けることも可能です。
【CO2排出と住宅選択の関係図】
- 住宅選び
↓ - 断熱性能の高い家 → 冷暖房使用量減 → エネルギー消費↓ → CO2排出↓
↓ - 再生可能エネルギー設計 → 自家発電・効率運用 → CO2排出↓
↓ - 環境配慮素材(バイオマス建材) → 製造・廃棄のCO2削減 → カーボンニュートラル実現
このように、建て方・住まい方を少し工夫するだけで、“未来に優しい住宅”は誰にでも選べるものになります。
次は、より具体的にSDGsに貢献する建材とその選び方に進みます。
SDGsに貢献する建材とは?認証マークで見える素材の工夫

住宅づくりにおける「環境への配慮」を形にするには、どんな素材を使うかが重要なポイントになります。その判断材料として活用できるのが、環境認証マークです。なかでも「バイオマスマーク」や「バイオマスプラ(BP)マーク」は、SDGsに貢献する製品選びの目印として機能します。
バイオマスマークは、製品に10%以上の生物由来資源(植物など)を含むことを示すマークで、資源循環やCO2削減に寄与する素材が使われている証です。食品容器や文房具、日用品などに幅広く付けられており、住宅でも壁紙や断熱材などに採用される事例が増えています。
一方、バイオマスプラマークは、プラスチック製品の中でも植物由来資源を一部活用していることを示すマークです。一般社団法人日本有機資源協会(JORA)が定めた基準に沿って認証されます。住宅関連では包装資材や施工現場の資材に導入されており、石油由来原料の削減に貢献しているのです。
【環境認証マーク比較表】
| 認証マーク | 対象素材 | 基準内容 | 貢献するSDGs目標 | 主な活用例 |
| バイオマスマーク | 生物由来資源 | バイオマス含有率10%以上 | 12(つくる責任)、13(気候変動) | 壁紙、文具、包装、建材 |
| バイオマスプラマーク | プラスチック | バイオマスプラ含有一定割合 | 12、13、15(陸の豊かさ) | 食品容器、施工資材、ごみ袋など |
これらのマークは、製品パッケージ・商品カタログ・建材のスペック表などに記載されていることが多く、施工時や購入時に意識して確認する習慣を持つことで、身近なところから環境への貢献につながる選択が可能になります。
「住宅設備にもSDGs視点を」省エネと快適性を両立する選択

住宅の「快適さ」と「環境への配慮」を同時に叶えるには、設備の選び方が重要です。とくにエネルギー効率やCO2排出量に大きく関わる部分であり、断熱性能や給湯設備、再生可能エネルギーの活用は、SDGsへの実践的な貢献ポイントになります。
まず、断熱性能の高い窓や壁、床材の導入によって、室内の温度を一定に保ちやすくなり、冷暖房の使用が減ります。これはエネルギー消費の削減につながるだけでなく、快適な室内環境も実現します。地域によっては、自治体が“断熱住宅”に補助金を出しているケースもあり、費用面でも後押しされている分野です。
さらに、太陽光パネルや家庭用蓄電池、高効率給湯器の導入により、電力やお湯の利用効率が上がり、CO2排出を抑えることが可能です。とくに「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」と呼ばれる、家庭のエネルギー消費と発電のバランスがゼロになる住宅は、国の施策でも積極的に普及が進められています。
こうした設備の選定では、製品のパンフレットや住宅展示場で「エネルギー性能表示」「環境認証マーク」の有無を確認すると信頼性を見極めやすくなります。住宅設備は消費者の“意思ある選択”によって、SDGsの一歩を実践できる領域なのです。
【住宅設備によるSDGs貢献要素】
| 設備種 | SDGs貢献内容 | 機能/ポイント |
| 断熱窓・断熱材 | 冷暖房負荷軽減 → CO2排出削減 | 快適性向上/省エネ/補助金対象 |
| 太陽光パネル | 自家発電 → 電力の脱炭素化 | 再生可能エネルギー活用/蓄電との連携 |
| 高効率給湯器 | ガス使用量削減 → CO2排出削減 | 熱効率向上/エネルギーコスト削減 |
次は「住宅選びの現場で使えるヒント」──パンフレットの見方から、質問すべきポイントまで具体的に掘り下げていきます。
住宅選びの現場で使えるヒント「見える化」が安心につながる

環境に配慮した住宅を選ぶには、「知っておきたい確認ポイント」や「施工業者とのコミュニケーション」がカギになります。SDGsへの関心はあっても、実際の商品や設計図を前にすると、何を基準に選べばよいのか迷ってしまうこともあります。ここでは、パンフレットや商品ページのチェックポイント、工務店への質問例など、すぐに使える現場目線のヒントを紹介します。
まず、建材や設備のパンフレットでは「認証マーク」「エネルギー性能」「素材の種類」を見るクセをつけましょう。とくにバイオマスマークやBPマークがある場合、それは製品が環境配慮型であることの根拠になります。また、断熱性能や一次エネルギー消費量の表示も、CO2削減に貢献できる目安となる指標です。
工務店や設計士には、以下のような質問が有効です。
・「この建材はSDGs対応素材ですか?」
・「断熱性能やエネルギー効率の説明はありますか?」
・「環境認証を取得している設備や素材はどれですか?」
さらに、国や自治体が提供する「ZEH補助金」「断熱性能向上の助成制度」なども活用できます。リフォームや新築を検討するタイミングで調べておけば、金銭的な後押しとともに、SDGs実践へのきっかけにもなります。
【チェックシート例:施工前に確認したいSDGs関連ポイント】
| 項目 | チェック内容 |
| 認証マークの有無 | バイオマスマーク/BPマークの表示を確認 |
| エネルギー性能表示 | 断熱性能・省エネ率・一次消費量など |
| 使用素材の環境配慮性 | 再生可能資源・地域材の使用有無 |
| 補助金・助成制度の活用可否 | ZEH・断熱強化などの申請状況 |
| 設計者とのSDGs意識共有 | 設計思想に「環境」視点が盛り込まれているか |
こうした「見える化」を意識することで、自分の選択がSDGsの一歩になるという実感が得られ、安心して住まいづくりを進めることができます。
未来につながる住宅選びのSDGsの視点で暮らしを見直そう

環境に配慮した暮らしは、特別なことではなく「住まいの選び方」から始められる身近な行動です。SDGsという言葉に触れても、自分に何ができるのか分からなかった方も、断熱材の選定や認証付き建材への注目、そして地域の資源を活かした設計に目を向けることで、「地球にやさしい家づくり」が具体的な選択肢になることを実感できたのではないでしょうか。
これから家を建てる人も、リフォームを検討している人も、「環境性能が見える」住まいを選ぶことで、SDGsの実践者になれます。小さな一歩に見えて、未来の気候や資源を守る選択がそこにあります。そんな視点を持つことで、暮らしはもっと誇らしく、やさしくなっていくかもしれません。家づくりが、地球の笑顔につながることが大事です。

