2050年には、世界的に地球環境が悪化することが懸念されています。また、人口の増加についても問題視されていますが、その理由について詳しくは知らないという人もいるのではないでしょうか。
2051年問題とよく言われますが、正確なところがわからなければ対策の使用もありません。本記事では、2050年問題や日本や世界における社会の変化予想、今後何をするべきなのか?などを詳しく解説します。
2050年問題とは?
2050年問題とは、約30年後には世界規模で地球環境が今よりも悪化することを懸念しているものです。地球温暖化が進み、世界規模で地震や津波、豪雨・竜巻などさまざまな国や地域で災害とも呼べる異常気象が続いています。自然災害は毎年少しずつ増え続け、今後さらに増えることが予想されています。
そのため、2050年になるころには、水不足や食糧不足も懸念されているのが現状です。地球上の人口は増え続ける一方で、食糧生産や水の量はそれほど増えてはいません。もちろん今は安定して国民を養えるだけの資源がある国も、2050年までには悪化してしまう可能性も考えられています。
そのため、いずれは資源をめぐって争いが起きる可能性もあり、多くの難民が生まれてしまうことも考えられるでしょう!
日本における社会の変化予想
日本においても、2050年問題は深刻に受け止められています。例えば、カーボンニュートラルの観点では、菅元総理の宣言を受け省庁及び地方自治体が改善を試みていることが各所にて発表されています。
菅総理が 2050 年カーボンニュートラルを宣言した際、「国と地方で検討を行う新たな場」の創設を表明したことを受け、昨年 12 月に、「国・地方脱炭素実現会議」を設置し、脱炭素に取り組む地方自治体や企業等の関係者からのヒアリングや提言を参考に、地域の取組と密接に関わる「暮らし」「社会」の分野の脱炭素方策の検討を行った。地域脱炭素は、脱炭素を成長の機会と捉える時代の地域の成長戦略であり、自治体・地域企業・市民など地域の関係者が主役になって、今ある技術を適用して、再エネ等の地域資源を最大限活用することで実現でき、経済を循環させ、防災や暮らしの質の向上等の地域の課題をあわせて解決し、地方創生に貢献できる。
参照:地域脱炭素ロードマップ | 内閣官房
日本では、2050年にはどのような問題が起きる可能性があるのかを、詳しく解説していきます。
関連記事:脱炭素とカーボンニュートラルの違いとは?京都議定書やパリ協定・気候変動サミットの解説も!
人口は1億人を切り、その約4割は65歳以上の高齢者で占められると予想されています。そもそも働ける人が少なくなってしまうため、当然税収は落ち込みます。しかし、高齢者が増えることによって認知症などの患者が増加し、それに伴って社会保障費も莫大なものになるでしょう。
自然災害や異常気象
現在でも日本は毎年のようにどこかが豪雨や台風、地震などの自然災害によって大きな被害を受けています。また、夏は暑すぎるほど暑く、冬にはこれまでにない大雪が降ることも。
とくに自然災害は、今後も減るどころか増える可能性の方が高いと予想されています。また、地球温暖化による異常気象で夏は47度にもなることが予想されていて、干ばつによる深刻な食糧不足も考えられるでしょう。
地方の過疎化
人口の減少が懸念される日本では、30年後には空き家がさらに増え、なおかつ家屋の老朽化も深刻化することが考えられます。高齢化と人口減少のあおりを受け、人々が都市部に集まることで地方の過疎化が進み、税収の減少によって自治体が機能しなくなってしまうでしょう。
とくに農家は後継者がいないうえに高齢化により、放棄される耕作地が増えることも予想されます。
高齢化にともなう働き手の減少
現在でもすでに少子高齢化が訴えられている日本ですが、約30年後の2050年には、さらに高齢化が進むと予想されています。とはいえ、出産率が上がる可能性は低く、高齢で働けなくなる人が増える一方で、働ける若者の減少が深刻になってしまうでしょう。
世界における社会の変化予想
日本では人口や自然現象・異常気象・地方過疎化などの問題がありますが、世界で見るとどのような問題が考えられるのでしょうか。ここでは世界における社会の変化について、詳しく解説します。
人口の増加
2050年には、世界の人口は約100億人前後まで増加することが予想されています。先進国はむしろ人口の減少が懸念されていますが、発展途上国は反対に人口がどんどん増えていくことでしょう。そのため、食糧不足が考えられます。
なぜなら、食糧生産は今と変わらないか異常気象によってむしろ減少することも考えられるからです。そのため、増えた人口を養うために争いが勃発し、多くの難民が生まれる可能性も考えられます。難民が多く流れ込んできたら、先進国も対応しきれない可能性が出てきます。
異常気象と自然災害
現在でもすでに地球温暖化により異常気象が世界各地で起こっていますが、2050年にはさらに深刻になると考えられています。食糧不足だけでなく、水不足も考えられるでしょう。海抜の低い島などは海面の上昇により、地図から消えてしまう可能性も懸念されています。また、地震や津波、豪雨、竜巻などといった自然災害も減ることはなく、むしろ増加する傾向にあります。
2050年に向けて私たちがすべきこと
来るべき2050年に向けて、何をするべきなのかを考えることが大切です。何ができるのかを考えて、2050年になっても快適な暮らしを維持できるように、少しずつできることからしていきましょう。ここでは医療・教育・暮らし・エネルギーの4つの観点でより詳しく説明していきます。
医療
2050年には、高齢者が増加して働ける若者が減少することが懸念されています。介護現場や医療現場は、今よりさらに過酷になることが予想されるでしょう。だからこそ、今から医療技術を進歩させていき、健康寿命を延ばすことに注力していく必要があります。
また、健康寿命を延ばし、年をとっても健康で働けるようにすることが大切です。もちろん、再生医療やバイオテクノロジーなどの分野も研究を進め、病気の早期発見・早期治療も肝心となります。そうすることで、働ける若者が減少したとしても、働ける高齢者が増加し、社会や日本経済を支えることができるでしょう。
教育
いずれ高齢者も労働力として取り込むには、リカレント教育が必要になってきます。なおリカレント教育とは、教育と就労を繰り返すことで、新しい技術と知識を取り入れられるようにすることです。健康寿命を延ばして高齢者も労働力とすることができても、年々進歩する技術についていけなくては意味がありません。
結局は時代に取り残されてしまって、技術になじめずに身体は元気なのに働けない、などということになってしまいます。そのようなことにならないためにも、時代の変化に伴う技術や知識の進歩についていけるように、高齢者にとっても学びの場は必要となるでしょう。
暮らし
人口が減少し、社会の高齢化が進むだけでなく、住宅や水道管、電線なども老朽化することが考えられます。しかし、インフラが老朽化してもすべてを整備することはかなわなくなるでしょう。整備したとしても、人口の減少により、結局放棄せざるを得なくなってしまいます。
そのため、コンパクトシティの構想が必要です。
「コンパクトシティ」とは、住民の生活圏を一定範囲内にまとめた「コンパクトな街」のこと。公共インフラや行政サービス、民間の経済活動などに、限られた資源を集中的・効率的に使うことで、持続可能な都市・社会を実現するのが目的だ。
参照:コンパクトシティとは? 全国の事例から社会課題の処方箋に注目する | 日経ビジネス
都市の規模を小さくコンパクトにし、郊外に広がることを抑制します。都市がコンパクトになればそれだけ、インフラの整備もしやすくなるでしょう。そうすることで、老朽化した建物や水道管なども放置することがなくなります。
エネルギー
日本では、エネルギーの多くを外国に頼っています。どうしてもエネルギーは日本国内ですべて賄うというわけにはいかないため、資源国や新興国との関係性をしっかり構築しておくことが求められています。また、脱酸素を実現し、化石燃料だけに頼るような状況を脱する必要もあるでしょう。
政治・政策
政治においても、2050年には不安が付きまといます。とくに人口減少に伴い税収の減少と、高齢化社会による医療・介護の負担が大きくなることも考えられます。
また、日本の債務残高も膨大なものになる可能性も高く、失業者や低所得者が増加する可能性も考えられるでしょう。そのようなことにならないように、今から30年先を見越した、次世代の負担を減らせるような政治や政策が期待されます。
関連記事:SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」を解説
まとめ
2050年問題は、世界中で深刻に受け止められている問題です。しかし、嘆いているだけでは何も解決しません。今から2050年問題に備えることで、2050年になっても今と同じような快適な生活が維持できる可能性もあります。
そのため、今何ができるのかを考えて、少しずつでもできることを試してみてください!
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