栄養価も高く、様々な料理に活用できる「なまり節」。しかし、原材料や作り方を知っている人は意外と少ないのではないでしょうか?
本記事では「なまり節」という食材の魅力や、美味しい食べ方を解説していきます。
なまり節とは?
「なまり節」とは、生のカツオを捌いたのち、蒸し、煮込み、そして燻製の過程を経て作られる加工食品です。
なまり節の歴史は、江戸時代まで遡ります。
これは有名な話ですが、江戸時代の画家であり、俳諧にも通じていた酒井抱一が、「二日目は矢次早まろ初なまり」という歌を詠み、この“初なまり”がすなわち、なまり節のことだったのです。
このように、江戸の町では人気の食材で、懐石料理の定番メニューとしても活用されていたそうです。
現在も生産が行われており、カツオの水揚げ量の多い静岡県や高知県が主要な産地となっています。
「鰹節」と何が違うの?
なまり節と鰹節は、よく混同しがちな関係にあります。まずは、なまり節と鰹節の調理過程における違いについて解説していきます。
なまり節は、上述の通り、生のカツオの身を捌いたのち、煮熟させ、最後に乾燥を行い完成します。
また、この過程を繰り返すことで非常に身が硬くなった段階で、それは鰹節となります。
カツオの皮の模様には商品価値があり、なまり節の場合は皮を残したまま加工されることも多いです。
なまり節は鰹節に比べて水分量が多く、保存期間に制限があることもあり、生産量は鰹節ほど多くありません。
なまり節は栄養価が高い!
なまり節は、低カロリーかつ高タンパクな食品で、大変ヘルシーな食材で、私たちの体に欠かせない必須アミノ酸を豊富に含む食材です。
必須アミノ酸 | 100gあたりの含有量 |
イソロイシン | 1700mg |
ロイシン | 2800mg |
リジン | 3200mg |
メチオニン | 1100mg |
フェニルアラニン | 1400mg |
トレオニン | 1600mg |
トリプトファン | 440mg |
バリン | 1900mg |
ヒスチジン | 3100mg |
血液サラサラが期待できる
青魚特有の、EPA(イコサペンタエン酸)を豊富に含んでおり、血管内の中性脂肪を分解する働きが期待できます。
加えてナイアシンやトリプトファンを含むことから、血液をよりサラサラにすることが期待できます。
豊富なタンパク質
なまり節100gあたりには、38gのタンパク質が含まれており、トレーニングをする方や、スポーツに励む育ち盛りの学生さんなんかにもオススメの食材でしょう。
主に筋肉の形成に必要とされるBCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)も多く含んでいるのは大きな魅力です。
なまり節の美味しい食べ方
なまり節の美味しい食べ方をいくつか紹介していきます。なまり節は、水分を多く含み、鰹節に比べて柔らかい食材ですので、そのままでも美味しく食することができます。
少し手を加えた活用方法としては
・身をほぐし、マヨネーズをかけていただく
・なまり節のフライ
・なまり節の炊き込みご飯
・新鮮野菜を使ったなまり節のサラダ
・なまり節の煮魚
などがオススメです。
アレンジが楽しめる食材ですので、ぜひお好みの調理方法を試してみてください。
まとめ
なまり節は、非常に栄養価も高く、美味しい食材です。
江戸時代から、日本の人々に愛されていたことも紹介しました。
ヘルシーな伝統食材であり、若者から年配の方まで、全ての人にお勧めできる食材です。
まだ食べたことのない方は、ぜひ一度手にとってみてはいかがでしょうか。
▼参考記事▼
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