みなさん、サバは好きですか?
塩焼きや味噌煮など、様々な調理方法で美味しくいただけることから、日本の食卓でも大人気の「サバ」ですが、最近はノルウェーからの輸入サバを当たり前にスーパーで購入でいます。
本記事、海洋大国ノルウェーのサバのおいしさの秘密や、日本での流通事情などを解説してきます。
ノルウェーサバとは?
ノルウェーサバとは、その名の通りノルウェーにて漁獲されたサバのことです。日本では魚市場やスーパーマーケットでも多く流通しており、手軽に購入し食べることができます。
ノルウェーサバは、「タイセイヨウサバ(学名:Scomber scombrus)」という種類の魚です。
サバの生態学的な特徴
ノルウェーサバは、ノルウェーで漁獲された、タイセイヨウサバという種の魚であることを紹介しました。
しかし、他にも日本で多く流通しているサバはマサバやゴマサバなど様々な種がいます。
それぞれの種の特徴は以下のように簡単にまとめたのでご覧ください。
学名 | 特徴 | |
マサバ | Scomber japonicus | 最も流通があるサバがマサバ。秋から冬にかけて、脂がのり旬となる。「関サバ」など国内でブランド化したサバはマサバが利用されている。 |
ゴマサバ | Scomber australasicus | ゴマサバは、お腹側にゴマ模様があるのが特徴的なサバである。年間を通し美味しくいただける。 |
タイセイヨウサバ | Scomber scombrus | 日本市場では、ノルウェーサバと呼ばれることが多い。大西洋で漁獲され、多く輸入されている。 |
なぜノルウェーのサバは脂が乗るのか?
なぜノルウェー産のサバは脂が乗っており、日本でも人気なのでしょうか?理由は大きく2つあります。それは、「エサ」と「漁獲するサバの年齢」に関係しています。
ノルウェーサバのエサ
ノルウェー近海のプランクトンが豊富な海域で育ったノルウェーサバは、多くの脂を蓄えることができます。
wekipediaでは以下のように解説がされています。
大西洋サバ(通称ノルウェーサバ, S. scombrus)は秋が旬である。アイルランド沖で春先に産卵し、孵化した幼魚は餌をとりながらノルウェー南部海域を目指す。ノルウェー南部海域にはルンベと称される浅瀬があり、そこには海草が生い茂り波も静かでプランクトンが豊富である。幼魚時期にそこで成長し、回遊ができる体になってから北上を始める。ノルウェー北部海域にはプランクトンが豊富にある海域があり、索餌行動をして丸々と太ったサバは産卵のため南下を始める。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
漁獲するサバの年齢
漁獲するサバの年齢が異なるがどうおいしさに関係しているのでしょうか?
それは、日本に比べ、より大きく育った段階でノルウェーサバは漁獲されるため脂のノリが良いということです。
マサバの太平洋系群の漁獲は0-2歳魚が主体であるのに対し、北東大西洋のタイセイヨウサバ(以下タイセイヨウサバ)の漁獲主体は3歳魚以上である。
マサバ太平洋系群と北東大西洋のタイセイヨウサバの資源評価・管理の比較
これは漁業制度に関係しています。
国が定める漁獲可能量が、日本ではオリンピック方式と呼ばれる早い者勝ちの制度に対し、ノルウェーではTAC制度と呼ばれる漁船ごとの上限値を求める制度で漁業管理が行われています。
そのためノルウェーでは十分に育った段階で各漁船がサバを漁獲するため、結果的に脂の乗りも良いサバが日本へ流通しているということなのです。
*漁業制度に関しては、以下の記事をご覧ください
日本でもより身近に!ノルウェーサバの流通事情
ノルウェーサバはスーパーマーケットなど様々な店舗で見かけることが多く、身近に家庭でもその味をいただけるようになっています。
各企業もノルウェーサバの活用を進めており、以下にいくつか特徴的な動きを紹介していきたいと思います。
①コンビニエンスストアではノルウェーサバが多く利用されている
まず、簡単にノルウェーサバをいただけるのがコンビニエンスストアです。
ローソン、ファミリーマート、セブンイレブンなど大手のコンビニチェーンが、「サバの塩焼き」や「しめ鯖」などの製品においてノルウェーサバを利用しており、今後も製品開発が進んでいくことでしょう。
②缶詰製品には国内サバが用いられる現状
日本で購入可能な「サバ缶」のほとんどのサバは、国内で漁獲されたマサバやゴマサバが利用されていると言われています。
これは、ノルウェーサバが豊富な脂を含んでるため、加工時の品質の観点から缶詰製品に向かないことが理由です。
今後もノルウェーサバは、フィレ加工されたのち塩焼きや味噌煮などの製品として流通していくことが見込まれます。
SDGsとも関係の強いノルウェーのサバ事業
SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」にて掲げられているように、水産資源の持続的な活用は今後の大きな課題です。
【環境問題】海洋ゴミに影響を受ける海鳥の現状とは?ノルウェーはSDGs達成にむけ積極的な国であり、サバに関する事業においても各企業がSDGs達成のための様々な取り組みを行っています。
例えば、ノルウェー王手の水産企業の1つであるペラジア社は、フィレ加工された際に排出される骨などの不要部分を、養殖漁業で利用する魚の飼料の原材料として利用するといった取り組みを行っています。
まとめ
ノルウェーサバのおいしさの秘密、そして日本でも多く流通している現状について紹介しました。
今ではコンビニエンスストアでも、ノルウェー産のサバを多く見かけるようになり、より身近なものとなっています。
国内のサバも美味しくいただきながら、世界全体で大切にその資源を活用できていけたら良いですね。