本記事では、SDGs目標6「安全な水とトイレを世界中に」について解説をします。なぜこの目標が定められているのか、世界の現状を元に背景など紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
なお、SDGsに関し詳細を知りたい方はこちらもご覧ください。
【目標6】「安全な水とトイレを世界中に 」とは?
SDGs目標6で定められている「安全な水とトイレを世界中に 」
これはすなわち、すべての人々が安全な水とトイレを利用できるようにし、自分たちで衛生的に管理していけるようにしようという目標です。
SDGsにおいては、水道のパイプで管理されている水を「安全な水」と定義しており、飲み水としての安全を確保すること、そして人々が生活する上で極めて重要な「トイレ」を整備しようという取り組みが各国で進められています。
生きる上で必要不可欠な「水」ですが、安全性や衛生面から危険に晒されている人々が多く存在するのが現状です。
ますは、「水」そして「トイレ」に関し、世界での課題を解説していきます。
世界の「水」に関する課題
1 in 3 people or 2.2 billion people around the world lack safe drinking water
UNICEF Data
2019年に発表された、ユニセフと世界保健機関(WHO)の報告によれば、世界では22億人もの人々が安全な飲料水を欠いているという現状が報告されています。
概算では、世界の3人に1人は、安全な水が不足している状態ということになります。
日本のような先進国においては、水道水を飲むことが可能であったり、コンビニエンスストアなどで手軽にミネラルウォーターを購入できたりと、飲料水の不足を実感することは難しいでしょう。
しかし、アフリカなどの発展途上国を考慮すると、世界では多くの人々が安全な水を入手することができていないという背景があるのです。
また国連広報センターによる「SDGs報告2019」では、「2030年までに7億人が深刻な水不足で住む場所を追われる」という予想もされており、今後も私たちにとって無視できない課題となっていくでしょう。
「トイレ」に関する世界の現状
over the same period 39 countries recorded net increases in the number of people practising open defecation totaling 49 million. These included countries experiencing rapid population growth and were mostly concentrated in Sub-Saharan Africa.
UNICEF Data
こちらも同様に、ユニセフと世界保健機関(WHO)によると、現在6億7300万人が野外排便をしている現状があるという報告がなされています。
39か国で、合計4,900万人の野外排便を行う人々の純増加が記録されており、主にサハラ以南のアフリカ各国では、現在も十分なトイレが整備されていないことが見受けられます。
また、世界の人口の約18%が手洗いに関し、十分な整備を所有していないという報告も同時にされており、トイレ前後の衛生面の課題も十分にあると言えるでしょう。
[adchord]目標6における8つのターゲットとは?
SDGs目標6においては、8つのターゲットが定められています。
内容は以下の表の通りです。
6.1 | 2030年までに、すべての人々の、安全で安価な飲料水の普遍的かつ衡平なアクセスを達成する。 |
6.2 | 2030年までに、すべての人々の、適切かつ平等な下水施設・衛生施設へのアクセスを達成し、野外での排泄をなくす。女性及び女児、ならびに脆弱な立場にある人々のニーズに特に注意を払う。 |
6.3 | 2030年までに、汚染の減少、投棄の廃絶と有害な化学物・物質の放出の最小化、未処理の排水の割合半減及び再生利用と安全な再利用の世界的規模で大幅に増加させることにより、水質を改善する。 |
6.4 | 2030年までに、全セクターにおいて水利用の効率を大幅に改善し、淡水の持続可能な採取及び供給を確保し水不足に対処するとともに、水不足に悩む人々の数を大幅に減少させる。 |
6.5 | 2030年までに、国境を越えた適切な協力を含む、あらゆるレベルでの統合水資源管理を実施する。 |
6.6 | 2020年までに、山地、森林、湿地、河川、帯水層、湖沼を含む水に関連する生態系の保護・回復を行う。 |
6.a | 2030年までに、集水、海水淡水化、水の効率的利用、排水処理、リサイクル・再利用技術を含む開発途上国における水と衛生分野での活動と計画を対象とした国際協力と能力構築支援を拡大する。 |
6.b | 水と衛生の管理向上における地域コミュニティの参加を支援・強化する。 |
合計8つのターゲットが定められていますが、「水」そして「トイレ」の整備や、水を取り巻く環境を保全、活用していくための項目が定められています。
SDGs目標6に関する取り組み事例
「安全な水とトイレを世界中に 」を達成するため、国内外で様々な取り組みが行われています。
国内、そして国外に分けて、その事例をいくつか紹介していきます。
国内での取り組み
・日本コカ・コーラ株式会社
「コカコーラ」が代表的な企業である日本コカ・コーラ株式会社は、日本国内の水資源の保護を継続的に行なっている企業です。
「い・ろ・は・すの森活」プロジェクトという取り組みを行っており、日本各地の水源の保護がなされています。
・有限会社コズミック
有限会社コズミックは、自然素材のみで作られたセラミックスを活用し、農薬を減らすことなどを通じて、農作物そして汚染された水質の改善などあらゆる問題を解決している企業です。
参照元:国際平和拠点ひろしま
国外での取り組み
ウォーターエイドは、安全な水を利用できない人たち、十分なトイレが使えない人たちを救うため、生活世界34ヶ国で清潔な水が利用できる生活を届ける活動をしている団体です。(2018年現在)
日本国内でも活動があり、特定非営利活動法人ウォーターエイドジャパンとして2013年に設立された法人が、現在も課題解決に取り組んでいます。
「安全な水とトイレを世界へ」私たちができること!
安全な水とトイレを世界中の人々が利用できる未来のため、私たちは何ができるのでしょうか?
Wearthでは、比較的簡単に目標達成に貢献できる方法を紹介していきます。
①ボランティアに参加してみよう
日本は世界中の中でも、綺麗な水源を多く所有する国家です。
環境保全などの身近なボランティア活動に参加することで、貴重な水圏環境を守ことに繋がります。
国内でも多くのボランティア活動が企業などを中心に行われており、身近な地域での取り組みなどチェックしてみることをオススメします。
②NPO・NGOへの寄付を検討しよう
世界各国で、NPO(非営利組織)やNGO(非政府組織)による環境整備などの取り組みが行われています。
寄付活動を通し、関節的にそれらの取り組みに貢献することができます。
各組織が、インターネットなどを通じて活動内容を報告しています。まずは興味のある活動を行っている団体に関し、調べてみると良いでしょう。
③家庭での水の使い方を考えよう
日々の生活からも、大切な水を有効に活用する工夫はできます!
サステイナブルなコンセプトの製品なども活用しながら
・油をそのまま流さず、拭き取るようにする
・蛇口をこまめに閉める
などにまずチャレンジできるといいですね!
貴重な水資源の使い方を見直して見ましょう。
まとめ
これまで「水」そして「トイレ」に関係する課題に関し、世界の現状を解説してきました。
SDGs目標6「安全な水とトイレを世界中に 」の背景には、現在も衛生面などで困難に直面している人々や、今後私たちを脅かすような問題の可能性などがありました。
簡単に解決できる問題では無いものの、すぐに始められることから取り組んでいくことが、課題解決に繋がっていくでしょう。