非常に美味なことから静岡県伊豆半島の名産であるキンメダイ。本記事では、キンメダイの生物学的な特徴や旬なシーズン、また現地で食したい方に向けたオススメエリアを紹介しています。
キンメダイとは、どんな魚?
キンメダイ(学名:Beryx splendens)は、水深200~800m前後に生息する深海魚です。
太平洋、大西洋、インド洋の熱帯から温帯の水域に広く生息し、小魚やオキアミ、イカなどを捕食して生活している魚です。
日本では静岡県、神奈川県、千葉県、そして東京都の1都3県で多くの漁獲があります。
年間を通し、脂のノリがある白身の魚で、刺身や煮付けなど様々な調理方法で美味しく食すことができます。
キンメダイの旬はいつ?
キンメダイの旬は、一般的に冬のシーズンと言われています。主に10月から3月あたりの期間では脂のノリがよく、ぜひこのタイミングで食することをオススメします。
また、産卵期直前の6月及び7月も脂のノリがよく、このタイミングでも美味しくいただくことができるでしょう。
獲れた場所で呼び方がある!
伊豆のキンメダイは、漁獲された海域によって呼び方が変わり、大きく「地キンメ」、「沖キンメ」、「島キンメ」の3つがあります。
地キンメ
地キンメは、日帰りの漁船によって、比較的近い漁場で漁獲されるキンメダイのことを差します。
伊豆半島沿岸部から伊豆諸島の利島や新島までの海域が主な漁場となります。
日帰りということもあり、鮮度もよく、場合によっては1kgあたり1万円以上の値がつくこともあります。
沖キンメ
沖キンメは、数日間の操業によって遠洋で漁獲されるキンメダイのことを差します。
主な漁場は、八丈島からさらに沖の海域であり、流通しているキンメダイのうち多くの割合を沖キンメが占めています。
島キンメ
島キンメは、神津島周辺から八丈島周辺にかけた特定の海域で漁獲されたキンメダイのことを差します。
島キンメも、地キンメ同様日帰りの操業にて、漁獲されます。
キンメダイを伊豆へ食べにいくなら?
伊豆の名産であるキンメダイ。首都圏からも比較的近く、ぜひ現地でそのおいしさを味わいたいですよね。
伊豆半島全域において、新鮮な魚を食すことができる食事処やお土産を扱う店舗が多く存在します。
なかでも特にキンメダイを伊豆へ食べにいく際に、オススメのエリアが2つあります。それは「下田港」と「稲取港」です。
さっそく下田港からその理由や魅力を紹介していきます。
①下田港
下田港は、キンメダイの水揚げ量が日本一の漁港です。
年間の水揚げ高は年間 3,000 ~ 4,000トンと言われており、日々、下田魚市場では真っ赤なキンメダイが水揚げされています。
水揚げ量が日本一というだけあって、現地で生まれたキンメダイのメニューもかなり多くあります。
地元で生まれた様々な調理方法でいただいてみることをオススメします。
②稲取港
稲取港で水揚げされたキンメダイは「稲取キンメ」としてブランド化されています。
稲取沖で、1本釣りによって水揚げされるキンメダイであり、餌の違いによって「地キンメ」のなかでも格別に美味しいと言われています。
“考えよう”キンメダイは減少傾向にある
非常に美味しいキンメダイですが、近頃は資源量が減少傾向にあるとされています。
現状の漁獲を続けた場合、海洋環境が変わらなければ資源量は10年後、約
キンメダイの資源状況と対応方向について/水産庁
1.68万トンまで減少する見込み。
水産庁によれば、2009年まで7000トン台で安定していた資源量も、2015年には4,764トンと減少傾向が見られると報告されています。
SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」に掲げられている通り、現代は海の資源の持続的な活用が重要視されています。キンメダイにおいても、持続的な利用に向け、水産庁などの観光庁や都道府県など自治体が様々な取り組みを行っています。
*SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」については、こちらの記事をご覧ください
【SDGs目標14】「海の豊さを守ろう」から考える海洋環境の現状と課題まとめ
本記事にて、キンメダイの生態的特徴や伊豆でのオススメエリアについて紹介してきました。
資源減少が報告されているキンメダイですが、非常に美味しい魚であり、きっとファンも多いことでしょう。
食べたことのない方はぜひ、名産地を訪れ、そのおいしさを体験してみてください。